.\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. Translate the source file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" Japanese Version Copyright (c) 1993-2012, 2022 .\" NetBSD jman proj., Yuichi SATO and Akihiro Motoki .\" all rights reserved. .\" Translated 1993-10-15, NetBSD jman proj. .\" Updated 2000-06-09,Yuichi SATO .\" Updated 2012-04-20, Akihiro Motoki , gzip 1.4 .\" Updated 2022-05-13, Akihiro Motoki , gzip 1.12 .\" .TH GZIP 1 local .SH 名前 gzip, gunzip, zcat \- ファイルの圧縮、伸長を行う .SH 書式 .ll +8 \fBgzip\fP [\fB \-acdfhklLnNrtvV19 \fP] [\fB\-S\ suffix\fP] [ \fIname \&...\fP ] .ll -8 .br \fBgunzip\fP [\fB \-acfhklLnNrtvV \fP] [\fB\-S\ suffix\fP] [ \fIname \&...\fP ] .br \fBzcat\fP [\fB \-fhLV \fP] [ \fIname \&...\fP ] .SH 説明 \fIgzip\fP コマンドは Lempel\-Ziv コーディング (LZ77) を利用して、 指定されたファイルのサイズを小さくする。 各ファイルは、所有権、 アクセス時刻、 修正時刻を保存したまま、 拡張子 \fB\&.gz\fP をつけたファイルに置き換えられる (デフォルトの拡張子は、 MSDOS, OS/2 FAT, Windows NT FAT, Atari では \fBz\fP である)。 ファイルが指定されない場合や、 ファイル名が "\-" の場合、 標準入力を圧縮して標準出力に書き出す。 \fBgzip\fP コマンドが圧縮対象とするのは、 通常のファイルだけである。 特に、 シンボリックリンクは無視される。 .PP 圧縮されたファイル名が、 そのファイルシステム上では長すぎる場合、 \fBgzip\fP はファイル名を切り詰める。 \fBgzip\fP はファイル名のうちの 4 文字以上のパートを切り詰めようとする。 (各パートはドットで区切られている。) 小さなパートだけからファイル名ができている場合、 もっとも長いパートが切り詰められる。 たとえば、 ファイル名が 14 文字までに制限されている場合、 gzip.msdos.exe は gzi.msd.exe.gz という名前で圧縮される。 ファイル名の長さに制限がないシステムでは、 ファイル名が切り詰められることはない。 .PP デフォルトでは、 \fBgzip\fP は圧縮ファイルの中に元ファイルの名前とタイムスタンプを保存する。 これらの情報はファイルを \fB\-N\fP オプションで伸長するときに使われる。 これは、 圧縮されたファイルの名前が切り詰められた場合や、 ファイル転送の後でタイムスタンプが保存されなかった場合に役立つ。 .PP 圧縮されたファイルは \fBgzip \-d\fP, \fBgunzip\fP, \fBzcat\fP を使うと元の形に復元することができる。 圧縮ファイルに保存された元ファイルの名前がファイルシステムに適合しない場合、 そのファイルシステムに適合するように元の名前から新しい名前が作られる。 .PP \fBgunzip\fP は、 コマンドラインからファイルのリストを受け取り、 ファイル名の末尾が .gz, \-gz, .z, \-z, _z (大文字小文字は区別しない) でファイルが正しいマジックナンバーで始まっている各ファイルを伸長したファイルに置き換える。 このとき圧縮ファイルの拡張子は取り除かれる。 \fBgunzip\fP は \fB\&.tgz\fP と \fB\&.taz\fP という特別な拡張子も認識する。 これらはそれぞれ、 \fB\&.tar.gz\fP と \fB\&.tar.Z\fP の省略形である。 \fBgzip\fP は、 圧縮する際に、 必要であれば、 拡張子が \fB\&.tar\fP のファイルの名前を切り詰める代わりに \fB\&.tgz\fP という拡張子を使う。 .PP \fBgunzip\fP は \fBgzip\fP, \fBzip\fP, \fBcompress\fP, \fBcompress \-H\fP, \fBpack\fP で作られたファイルを正しく伸長できる。 入力形式の検知は自動的に行われる。 はじめの 2 つの形式を使った場合、 \fBgunzip\fP は 32 ビットの CRC をチェックする。 \fBpack\fP に対して、 \fBgunzip\fP は伸長した長さをチェックする。 標準的な \fBcompress\fP 形式は、 整合性チェックをするようには設計されていない。 しかし \fBgunzip\fP は壊れた .Z ファイルを検知することができる場合もある。 .Z ファイルを 伸長しているときにエラーが出たときには、 単に標準の \fBuncompress\fP がエラーを出さないという理由だけで .Z ファイルが正しいと考えてはならない。 一般的にいうと、 標準的な \fBuncompress\fP は入力をチェックせず、 脳天気にゴミを出力してしまうことがある。 SCO の compress \-H 形式 (lzh 圧縮法) は CRC を含んでいないが、 いくつかの整合性チェックができる。 .PP \fBzip\fP によって作られたファイルは、 元ファイルが 1 つだけ含まれ、 かつ、 そのファイルが 'deflation' 法で圧縮されている場合にのみ、 gzip で伸長することができる。 この機能は、 tar.zip ファイルを tar.gz 形式へ変換する際の補助となることだけを意図している。 元ファイルが 1 つだけの \fBzip\fP ファイルを伸長するには、 \fBgunzip foo.gz gzip \-c file2 >> foo.gz の後に gunzip \-c foo とするのは、 以下と同じである。 cat file1 file2 \&.gz ファイルのうち 1 つのファイルが壊れても、 (壊れたファイルを削除すれば) 他のファイルはまだ回復できる。 しかし、 次のようにすべてのファイルを一度に圧縮すれば、 より高い圧縮が得られる。 cat file1 file2 | gzip > foo.gz これは下の例より高く圧縮できる。 gzip \-c file1 file2 > foo.gz より高い圧縮を得るために、 結合されたファイルをもう一度圧縮するには、 次のようにすること。 gzip \-cd old.gz | gzip > new.gz 圧縮ファイルが複数の元ファイルで構成されている場合、 \-\-list オプションで表示される伸長時のサイズと CRC は、 最後の元ファイルについてのみ適用されたものである。 すべての元ファイルについて伸長時のサイズが必要な場合は、 次のコマンドを使うこと。 gzip \-cd file.gz | wc \-c 複数の元ファイルからなる 1 つの書庫ファイルを作って、 後から元ファイルを別々に伸長できるようにしたいなら、 tar や zip といったアーカイバーを使うこと。 GNU tar は gzip を透過的に起動するために \-z オプションをサポートしている。 gzip は tar の代用としてではなく、 tar を補完するものとして設計されている。 .SH 環境変数 古い環境変数 \fBGZIP\fP には \fBgzip\fP のデフォルトのオプションセットを入れることができる。 これらのオプションは最初に解釈され、 明示的にコマンドラインパラメーターを指定することでこれらを上書きできる。 ただし、 スクリプトを用いる際にはこの機能が問題になる場合がある。 したがって、 この機能は、 あまり支障がないと考えられるオプションに対してのみサポートされており、 仮に使用された場合 \fBgzip\fP は警告表示する。 この機能は \fBgzip\fP の将来のバージョンにおいて削除される予定である。 .PP この代わりとして、 エイリアスやスクリプトを利用できる。 たとえば、 \fBgzip\fP がディレクトリ \fB/usr/bin\fP にある場合、 \fBPATH\fP 変数の先頭に \fB$HOME/bin\fP を追加し、 以下のような内容を含んだ実行スクリプト \fB$HOME/bin/gzip\fP を作成すればよい。 #! /bin/sh export PATH=/usr/bin exec gzip \-9 "$@" .SH 関連項目 \fBznew\fP(1), \fBzcmp\fP(1), \fBzmore\fP(1), \fBzforce\fP(1), \fBgzexe\fP(1), \fBzip\fP(1), \fBunzip\fP(1), \fBcompress\fP(1) .PP \fBgzip\fP ファイル形式は P. Deutsch, \s-1GZIP\s0 file format specification version 4.3, \fB\fP, Internet RFC 1952 (May 1996) で規定されている。 \fBzip\fP deflation 形式は P. Deutsch, \s-1DEFLATE\s0 Compressed Data Format Specification version 1.3, \fB\fP, Internet RFC 1951 (May 1996) で規定されている。 .SH 診断メッセージ 通常、 終了ステータスは 0 である。 エラーが起きた場合、 終了ステータスは 1 である。 警告が起きた場合、 終了ステータスは 2 である。 .TP Usage: gzip [\-cdfhklLnNrtvV19] [\-S suffix] [file ...] 無効なオプションがコマンドラインから指定された。 .TP \fIfile\fP\^: not in gzip format \fBgunzip\fP に指示されたファイルが圧縮されたものではない。 .TP \fIfile\fP\^: Corrupt input. Use zcat to recover some data. 圧縮されたファイルが壊れている。 破損した位置までのデータは、 次のコマンドを使って修復できる。 zcat \fIfile\fP > recover .TP \fIfile\fP\^: compressed with \fIxx\fP bits, can only handle \fIyy\fP bits \fBファイル\fP が、 このマシン上での伸長コードより多くのビットを扱うことができるプログラムで (LZW を使って) 圧縮されている。 より高い圧縮ができ、 メモリ使用量の少ない、 gzip を使って ファイルを再圧縮すること。 .TP \fIfile\fP\^: already has .gz suffix \-\- unchanged ファイルが既に圧縮されていると考えられる。 ファイル名を変更し、 再度試みること。 .TP \fIfile\fP already exists; do you wish to overwrite (y or n)? 出力ファイルで置き換えたいなら "y" と答えること。 さもなければ、 "n" と答えること。 .TP gunzip: corrupt input SIGSEGV 違反が検知された。 通常は、 入力ファイルが壊れていることを意味している。 .TP \fIxx.x%\fP 圧縮により節約された入力のパーセント表示。 (\fB\-v\fP と \fB\-l\fP のみに関連する。) .TP \-\- not a regular file or directory: ignored 入力ファイルが通常ファイルでもディレクトリでもない場合 (たとえば、 シンボリックリンク、 ソケット、 FIFO、 デバイスファイルの場合)、 変更せずにそのままにされる。 .TP \-\- has \fIxx\fP other links: unchanged 入力ファイルにリンクが張られているので、 変更しない。 詳しい情報は \fBln\fP(1) を参照すること。 複数にリンクが張られているファイルを強制的に圧縮するには \fB\-f\fP フラグを使うこと。 .SH 重要な注意 圧縮されたデータをテープに書き込むときは、 一般的に、 出力のブロック境界をゼロで埋める必要がある。 伸長のためにデータを読み込んですべてのブロックを \fBgunzip\fP に渡すと、 \fBgunzip\fP は通常、 圧縮されたデータの後ろに余分なゴミが続いていると検知して、 警告を発する。 この警告を抑制するには \-\-quiet オプションを使えばよい。 .SH バグ まれに \-\-best オプションによって、 デフォルトの圧縮レベル (\-6) より 圧縮が悪くなることがある。 非常に冗長なファイルでは、 \fBcompress\fP による圧縮が \fBgzip\fP より良くなることがある。 .SH バグ報告 バグ報告: bug\-gzip@gnu.org .br GNU gzip ホームページ: .br GNU ソフトウェアを使用する際の一般的なヘルプ: .SH 著作権表示 Copyright \(co 1998\-1999, 2001\-2002, 2012, 2015\-2022 Free Software Foundation, Inc. .br Copyright \(co 1992, 1993 Jean\-loup Gailly .PP Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this manual provided the copyright notice and this permission notice are preserved on all copies. .ig Permission is granted to process this file through troff and print the results, provided the printed document carries copying permission notice identical to this one except for the removal of this paragraph (this paragraph not being relevant to the printed manual). .. .PP Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one. .PP Permission is granted to copy and distribute translations of this manual into another language, under the above conditions for modified versions, except that this permission notice may be stated in a translation approved by the Foundation.