modprobe.blacklist=<module> という形式で、 オプション指定することができます。
(本ツールがサポートしていない) Linux カーネル 2.4 系列の場合とは異なり、 modprobe の本バージョンでは、
モジュールそのものには何も行いません。 つまりシンボルの解決やパラメーターの解釈は、 カーネル内部で行われます。
したがってモジュールに関する処理失敗は、 カーネルメッセージに出力されることがあります。 dmesg(8) を参照してください。
modprobe に対応づいて提供される depmod ユーティリティーからは modules.dep.bin
ファイルが生成されます (depmod(8) 参照)。 そして modprobe では、 そのファイルが最新であることを想定しています。
このファイルでは、 各モジュールが他のモジュールを必要としている場合に、 それが何であるのかを一覧に示しています。 そして modprobe
はこれを利用して、 依存モジュールの追加や削除を自動的に行います。
modulename より後ろに指定された引数は、 すべてカーネルに受け渡されます (設定ファイルに指定されたオプションも、
そこに加えられます)。
オプション
-a, --all
-
コマンドラインから指定されたモジュール名をすべて登録します。
-b, --use-blacklist
-
このオプション指定により、 設定ファイル内に blacklist コマンドがあれば、 それもモジュール名に対して適用するようになります。
これは通常、 udev(7) が利用します。
-C, --config
-
このオプションは、 デフォルトの設定ディレクトリ (/etc/depmod.d/) を上書きします。
このオプションは、 install コマンドや remove コマンドを通じて、 環境変数 MODPROBE_OPTIONS 内の別の
modprobe コマンドに受け渡されます。
-c, --showconfig
-
設定ディレクトリから有効な設定を取得および表示して、 終了します。
--dump-modversions
-
1 つのモジュールが必要としている、 モジュールのバージョン情報の一覧を表示します。 このオプションは、
通常はディストリビューションが利用するものであり、 モジュールバージョンを示す dep ファイルを使って、 Linux
カーネルモジュールをパッケージ化するために用いられます。
-d, --dirname
-
モジュールのルートディレクトリ。 デフォルトは / です。
--first-time
-
通常 modprobe では、 すでに存在しているモジュールを登録しようとしたり、 存在しないモジュールを削除しようとした場合でも、
正常終了します (そのときは何も行いません)。 これは単純なスクリプトにおいては最適なものですが、 より複雑なスクリプトの場合には、 実際に
modprobe が何を行ったのかを知る必要が出てきます。 このオプションは、 実際に何も行われなかった場合には、 modprobe
の処理が失敗したものとします。
--force-vermagic
-
どのモジュールであっても、 カーネルバージョンやコンパイラーバージョンといった重要な情報が、 短い文字列となってその名前に含められています。
モジュールのロードが失敗して、 カーネルが「version magic」が一致しないというエラーを出力した場合には、
このオプションを使えばエラー回避できます。 本来このチェック処理は、 ユーザー操作を保護するものであるため、 処理内容が分かっていない限り、
このオプションの利用は危険です。
これは、 登録されているモジュールすべてに適用されます。 つまり対象となるモジュールは、 コマンドラインから指定されたモジュール (あるいはエイリアス)
と、 それが依存するモジュールを含みます。
--force-modversion
-
CONFIG_MODVERSIONS の設定を行ってモジュールがコンパイルされた場合には、 モジュールが使用する (あるいは提供する)
インターフェースに関して、 そのバージョンをすべて説明するセクションが生成されます。 モジュールのロードが失敗して、 特定のインターフェースにおいて、
モジュールのバージョンが不一致であることをカーネルがエラー出力した場合には、 "--force-modversion" を使えば、
バージョン情報をすべて取り除いて処理することができます。本来このチェック処理は、 ユーザー操作を保護するものであるため、 処理内容が分かっていない限り、
このオプションの利用は危険です。
これは、 登録されているモジュールすべてに適用されます。 つまり対象となるモジュールは、 コマンドラインから指定されたモジュール (あるいはエイリアス)
と、 それが依存するモジュールを含みます。
-f, --force
-
バージョン情報を含んでいることが原因で、 ロードができないモジュールに対して、 そのバージョン情報を取り除いてロードを行います。 これは
--force-vermagic と --force-modversion をともに指定することと同じです。 本来このチェック処理は、
ユーザー操作を保護するものであるため、 処理内容が分かっていない限り、 このオプションの利用は危険です。
これは、 登録されているモジュールすべてに適用されます。 つまり対象となるモジュールは、 コマンドラインから指定されたモジュール (あるいはエイリアス)
と、 それが依存するモジュールを含みます。
-i, --ignore-install, --ignore-remove
-
このオプションを指定すると、 modprobe の処理にあたって、 コマンドラインからモジュールが指定されても、
設定ファイル内にそのモジュールが存在していれば、 install コマンドや remove コマンドは無視されます (その依存モジュールは、
設定ファイル内に設定されたコマンドに従います)。 install コマンドと remove コマンドは、
このオプションが用いられた場合に無視されますが、 --ignore-install または --ignore-remove
の一方だけが指定された (両方の指定がない) 場合であっても、 両方が無視されます。 modprobe.d(5) を参照してください。
-n, --dry-run, --show
-
このオプションは、 モジュールの登録や削除 (つまり install コマンドや remove コマンドの実行) は行わず、
これを除いたすべてのコマンドを実行します。 -v と合わせて用いれば、 デバッグ目的で利用することができます。 これまでの開発経緯において、
--dry-run と --show は、 まったく同じ意味となっているため、 どちらを用いても構いません。
-q, --quiet
-
このフラグを指定した場合、 削除または登録しようとしているモジュールが見つからない場合 (エイリアスでもなく、 install/remove
コマンドでもない場合)、 modprobe はエラーメッセージを表示しません。 ただしその場合でも、 ゼロではない終了ステータスを返します。
request_module を利用すれば存在確認が取れるモジュールに対しては、 カーネルはこの機能を使うことで、 モジュール検査を行います。
-R, --resolve-alias
-
エイリアスに一致するモジュール名をすべて表示します。 これは、 モジュールエイリアスに問題がある際のデバッグに利用できます。
-r, --remove
-
この modprobe オプションは、 モジュールを登録するのではなく、 削除を行います。
対象モジュールが依存しているモジュールも未使用であった場合、 modprobe はそのモジュールも削除します。 モジュール登録の場合とは違って、
コマンドラインからは複数のモジュールを指定することができます (モジュールを削除するので、 モジュールにパラメーターを受け渡しても意味がありません)。
通常、 モジュールを削除することはありません。 ただしバグを含んだモジュールであれば必要になることがあります。
利用しているディストリビューションのカーネルが、 モジュール削除機能のサポートを含めずにビルドされている場合があります。
-S, --set-version
-
uname(2) を用いずに、 カーネルバージョンを設定します (これによって、 モジュールを検索するディレクトリを決定します)。
--show-depends
-
対象のモジュールそのものも含めて、 依存するモジュール (またはエイリアス) を一覧表示します。 これによって (空リストの場合も含めて)
モジュールファイル名のリストを、 1 つにつき 1 行ずつ表示して、 各行の先頭に "insmod" を出力します。 通常これは、
initrd/initramfs イメージを生成する際に含めるモジュールの決定のために、 ディストリビューションが利用します。 Install
コマンドが適用されると、 先頭に "install" が出力されます。 これは install コマンドは実行しません。 modinfo(8)
を利用すれば、 モジュール自体から依存モジュールの情報を取得することができますが、 エイリアスや install コマンドについては、
何も得ることはできません。
-s, --syslog
-
このオプションを指定すると、 あらゆるエラーメッセージは、 標準エラー出力に向けてではなく、 syslog 機能に向けて (ログレベル
LOG_NOTICE の LOG_DAEMON として) 出力されます。 この処理はまた、 stderr が利用できない場合には、
自動的に有効になります。
このオプションは、 install コマンドや remove コマンドを通じて、 環境変数 MODPROBE_OPTIONS 内の別の
modprobe コマンドに受け渡されます。
-V, --version
-
プログラムバージョンを表示して終了します。
-v, --verbose
-
プログラムの処理内容に関するメッセージを出力します。 普通 modprobe は、 何かが誤っている場合にのみメッセージを出力します。
このオプションは、 install コマンドや remove コマンドを通じて、 環境変数 MODPROBE_OPTIONS 内の別の
modprobe コマンドに受け渡されます。
環境変数
環境変数 MODPROBE_OPTIONS は、 modprobe への引数受け渡しにも利用されます。
著作権
この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation です。 現在は
Jon Masters その他により保守されています。
関連項目
modprobe.d(5), insmod(8), rmmod(8), lsmod(8), modinfo(8)
depmod(8)
著者
Jon Masters <jcm@jonmasters.org>
-
開発者
Robby Workman <rworkman@slackware.com>
-
開発者
Lucas De Marchi <lucas.de.marchi@gmail.com>
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開発者
Index
- 名前
-
- 書式
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- 説明
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- オプション
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- 環境変数
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- 著作権
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- 関連項目
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- 著者
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Time: 07:09:00 GMT, June 24, 2022