adjtime_config - ハードウェアクロックの設定とドリフトに関する情報
/etc/adjtime
/etc/adjtime には、 ハードウェアモードのクロック設定とクロックドリフト (ずれ) の情報を保持しています。 このファイルは hwclock(8) によって読み書きが行われます。また rtcwake などのプログラムは、 これを読み込んで、 RTC タイムモードを得ています。
このファイルは通常 /etc 配下に置かれます。 ただし /etc へのアクセスが望ましくない場合に、 hwclock(8) や rtcwake(8) などのツールでは、 コマンドラインオプションを通じて別の場所を選ぶことができます。 このファイルが存在しない場合のデフォルトのクロックモードは "UTC" です。
ハードウェアクロックは普通は、それほど正確なものではありません。 ただしたいていの場合、 その不正確な様子は予測できます。 つまり毎日の時刻のずれは、 同じ分だけ早まるか遅れるかです。 これはシステマティックなずれと呼ばれます。 ユーティリティー hwclock(8) ではファイル /etc/adjtime を活用していて、 ある程度の履歴情報を保持しています。 詳しくは hwclock(8) man ページの「調整機能」と「adjtime ファイル」を参照してください。
adjtime ファイルの書式は ASCII により表現されます。
3 つの数字があり、 空白によって区切られます。
ずれ (drift factor)
1 日あたりの秒単位によるシステマティックなずれの割合 (浮動小数点 10 進数表記)。
最終調整時間
最後に補正または時計合わせを行った 1969 UTC からの経過秒数 (10 進整数)。
調整状態
10 進数の浮動小数点数値としてのゼロ (clock(8) との互換性のため)。
最終時計合わせ時間
最後に時計合わせを行った 1969 UTC からの経過秒数。 時計合わせが行われていない、 あるいはそれまでの時刻合わせに問題があったことが分かった (たとえば時刻合わせを行った後に、 ハードウェアクロックが適正な時刻になっていないことが判明した場合など) といった場合にゼロを返します。 これは 10 進数整数です。
クロックモード
サポートされる値は UTC または LOCAL です。 これはハードウェアクロックが協定世界時 (Coordinated Universal Time; UTC) に指定するか、 ローカル時間に指定するかを指示します。 この値は hwclock(8) コマンドラインから、 いつでも上書き設定することができます。
/etc/adjtime
hwclock(8), rtcwake(8)
バグ報告は、 以下にある issue トラッカーを利用してください。 <https://github.com/util-linux/util-linux/issues>.
adjtime_config は util-linux パッケージの一部であり、 以下からダウンロードできます。 Linux Kernel Archive <https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/>.