ul - 下線をつける
ul [options] [file...]
ul は、 指定されたファイル (それがない場合には標準入力) を入力として、 アンダースコアが出現した箇所を、 シーケンス文字列に変換する。 この文字列は、 使用中のターミナル、 つまり環境変数 TERM によって指定される画面上で、 下線を示す文字列を表すことになる。 下線を表す適切なシーケンス文字列を決定するために、 terminfo データベースが参照される。 ターミナルに下線の機能がないかわりに、 スタンドアウトモードがある場合は、 これが用いられる。 ターミナルが重ね打ちを行うことが可能であるか、 自動的に下線を取り扱えるものであれば、 ul は cat(1) と同じになる。 ターミナルに下線表示機能がない場合、 下線は無視される。
-i, --indicated
下線は、 適当な数のダッシュ `-' を含む、 独立した 1 行を使って表される。 これは CRT 端末上で、 nroff 出力ストリーム内に含まれる下線を探し出す場合に便利である。
-t, -T, --terminal terminal
指定された terminal タイプを用いて、 環境変数 TERM を上書きする。
-h, --help
ヘルプを表示して終了する。
-V, --version
バージョンを表示して終了する。
次の環境変数が利用される。
TERM
TERM 変数は、 tty デバイスを、 そのデバイス機能の記述 (device capability description) (terminfo(5) 参照) と関連づけるために用いられる。 TERM は、 ログイン時に設定されるものである。 これは、 /etc/ttys において、 デフォルトの端末タイプが指定されることで設定される場合と、 ユーザーログイン時に、 ユーザーの login ファイルから設定される場合がある (setenv(3) 参照)。
ul コマンドは 3.0BSD で登場した。
nroff の出力では通常、 バックスペースと下線をテキストに混ぜて、 下線を表現する。 戻る動作に関しての最適化は行われない。
colcrt(1), login(1), man(1), nroff(1), setenv(3), terminfo(5)
バグ報告は、 以下にある issue トラッカーを利用すること。 <https://github.com/util-linux/util-linux/issues>.
ul コマンドは util-linux パッケージの一部であり、 以下からダウンロードできる。 Linux Kernel Archive <https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/>.