look - 指定文字列で始まる行を表示する
look [options] string [file]
look ユーティリティーは、 string という文字列をプリフィックスとして含む file の行を表示する。 look は二分探索を行うため、 file 内の行は、 ソートを行っておく必要がある (その際には look を呼び出す際と同じ -d または -f を sort(1) に与えておく必要がある)。
file が指定されなかった場合は、 /usr/share/dict/words ファイルが用いられる。 ただしそのときには、 アルファベット文字のみが比較され、 さらに大文字小文字は無視される。
-a, --alternative
別の辞書ファイルを用いる。
-d, --alphanum
普通の辞書における文字セットと並び順を用いる。 つまり、 アルファベット文字と空白だけが、 文字比較の対象となる。 ファイルが指定されなかった場合のデフォルトは、 オンである。
なお、 辞書における文字セットに空白が加えられたのは、 バージョン 2.28 からであり、 sort -d コマンドとの互換性のためである。
-f, --ignore-case
アルファベットの大文字小文字を無視する。 ファイルが指定されなかった場合のデフォルトは、 オンである。
-t, --terminate character
文字列の終端文字を指定する。 つまり、文字列の比較にあたっては、 string 内の最初に character が現れたところまでを、 その文字も含めて比較対象とする。
-h, --help
ヘルプを表示して終了する。
-V, --version
バージョンを表示して終了する。
look ユーティリティーは、 1 つまたは複数の行が見つかり表示されれば、 0 を返す。 行が見つからなければ 1 を返す。 エラー発生時は 1 以上を返す。
WORDLIST
辞書ファイルへのパス。 FILES セグメントに定義される辞書パスよりも、 環境変数の方が優先される。
/usr/share/dict/words
辞書。
/usr/share/dict/web2
別の辞書。
look コマンドが登場したのは、AT&T UNIX バージョン 7 である。
sort -d /etc/passwd -o /tmp/look.dict look -t: root:foobar /tmp/look.dict
grep(1), sort(1)
バグ報告は、 以下にある issue トラッカーを利用すること。 <https://github.com/util-linux/util-linux/issues>.
look コマンドは util-linux パッケージの一部であり、 以下からダウンロードできる。 Linux Kernel Archive <https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/>.